仕事は能力より人
「仕事を一緒にするならスキルや能力というより『人柄』だと思っています。」
その方は元々グローバル展開している外資系IT会社で大変有能な仕事をされていた方で、様々な能力のある人と一緒に仕事をしてきたはず。それなのに、「仕事はスキルや能力より人」とおっしゃっていたことが非常に印象的でした。もしかしたら、能力のある人と仕事をしていたからこそ、「人柄」を尺度の一つにする何かがあるのかもしれません。
いずれにしても、勇気づけられました。
というのは、前職の上司がチームのミーティングで話した内容がなんとなく心に残っているからです。
上司いわく、社員は二つの軸で大きく4つのタイプに分かれるとのこと。一つは「やる気があるかないか」という軸、もう一つは「仕事ができるかできないか」という軸です。その二つの軸の組み合わせで「やる気があって仕事ができる人」「やる気はあるが仕事ができない人」「やる気はないが仕事ができる人」「やる気もなく仕事もできない人」と4つのタイプに分類することができます。
「やる気があって仕事ができる人」は文句なしに高評価の対象、「やる気もなく仕事もできない人」はその反対に評価の対象にもならない人というわけですが、問題は残りの二つのタイプ。
その上司は、「やる気はあるが仕事ができない人」と「やる気はないが仕事ができる人」とどちらの人をチームに残したいかと聞かれたら、後者だと言うのです。理由は、やる気さえ出したら使える人材だから。やる気はあるが仕事ができない人には、もうそれ以上の伸びしろがない。潜在的に期待できるものがないからというわけです。チーム一同、やや凍りながらその話を聞いていました。
どうなのでしょう。私は「やる気」は潜在的なパワーを持っていると信じています。でも、やる気だけで仕事が空回りしてしまっているケースや、日頃全くやる気がなく周囲にマイナスの影響しか及ぼしていない人が大きな仕事を任された時に、いつもと同じく周りを非常に不快にしながらも結果を出して評価されたケースがあるのも知っています。成果主義が評価基準であった前職、結果までの過程やお互いに気持ちよく仕事をしようとする努力は、なるほど評価はされないのだなぁと思ったものです。
そこに、前述のコンサルタントの方のコメントです。
「仕事を一緒にするならスキルや能力というより『人柄』」と。
今の私の中ではどちらが正しいのか、より現実に近いのかの解はありません。もしかしたら相反することでもないのかもしれません。ただ、どういうタイプの人に仕事を任せたいか、一緒に仕事をしたいかという「好み」の問題なのかもしれません。
ただ一つ思うことは、それでも私は、「やる気はないけど仕事ができる」から仕事を任せたいと言われるよりも、「仕事を一緒にするなら人柄」と言われて任される方がうれしい。その自分の価値観は大事にしていきたいと思っています。
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